1級電気通信工事施工管理技士

第二次検定(旧実地)|令和元〜7年度の出題傾向とおすすめ記述

試験の全体像(2級との違い)

1級第二次検定は全6問必須・記述式。合格の目安はおおむね得点率60%以上。問題1の経験記述が配点の重心で、監理技術者・主任技術者としての「統括」が見られます。

問題1 経験記述工事概要+指定2テーマ。R6以降は課題+対策+結果/評価
問題2 施工全般留意2語+系統図JIS記号+穴埋め
問題3 工程表条件文からネットワークを自作。工期+FF/TF/時刻
問題4 安全作業を2つ選び労災防止を記述
問題5 用語8〜9語から3語(R1は4語)
問題6 法規建設業法+労働系+電波/有線/端末
2級との差:①問題数が6 ②工程表が「図なし条件文」でフロート計算あり ③用語の本数が多い ④経験記述は監理・主任目線 ⑤R7で「施工計画の立案」が登場し、締めが結果ではなく評価

年度別の出題傾向

令和元〜7年度の公開問題から抽出。数字・記号は問題用紙の欠字があるため、学習用の骨格です。

年度問題1問題2問題3問題4問題5問題6
R1工程+品質資材/据付/FEP/工場検査
電話記号
HH有効長・浸水センサ
工期+JのFF高所車・活線近接・脚立・移動クレーン・酸欠4語(WDM、マルチパス、IP-VPN、TCP/IP、気象レーダ、L3スイッチ、ワンセグ、OFDM)施工体制台帳/労基40・8h/避雷器
R2安全+品質
誘導員のみ不可
測定器/据付/PF管/工具
TV共聴記号
スター型・ストレート
工期+Cの最遅完了墜落制止・移動はしご・熱中症・通路・飛来落下3語(メカニカル、同軸、PBX、LTE、NAT、トンネル再放送、VoIP、ブラウンアンテナ)見積請求/照度2m/周波数の偏差と幅
R3工程+品質資材/打込みアンカー/金属管露出/工場検査
インターホン記号
AP・アドホック
工期+HのTF高所車・スレート・地山・足場・玉掛け3語(VoIP-GW、再生中継、デリンジャ、プロキシ、QoS、DMZ、VOD、ゼロデイ)前金払と保証人/教育と再発防止/絶縁1MΩ
R4工程+安全留意2/防犯記号/インダクタンス・進行方向工期+Gの最早開始移動クレーン・危険物・脚立・通路・酸欠3語(GE-PON、ローミング、CSMA/CA、SaaS、IPsec、SQLインジェクション、JPEG、HFC型CATV)特定建設業者と施工体制台帳/照明・生命/離隔15cm
R5工程+品質留意2/CATV記号/C/SとP2P工期+Gの最遅開始高所車・はしご・低圧架空近接・地山・飛来3語(メカニカル、VoIP-GW、MIMO、IPv6、インターネットVPN、パケットフィルタ、L2スイッチ、ランサムウェア)工期変更/安全衛生教育/接地装置
R6安全+工程
課題+対策+結果
留意2/構内電話記号/管路清掃・マンドレル工期+GのTF墜落制止義務・移動足場・停電・通路・玉掛け3語(WDM、QAM、空間ダイバーシチ、DHCP、RFID、チャレンジレスポンス、光クロージャ、漏洩同軸)完成通知20日/危険性調査/安全係数
R7施工計画+品質
課題+対策+評価
資材/打込みアンカー/プルボックス/工具
非常放送記号
カスケード・スタック
工期+FのFF移動クレーン・防網・スレート・足場・酸欠3語(ノンメタリック光、八木、QoS、L3スイッチ、IP-VPN、ネットワークカメラ対策、PaaS、OFDM、ローカル5G)標識(現場・許可)/40h・8h/届出2週間前

固定パターン

問題1 経験記述(1級の書き方)

2級より「なぜその管理をしたか」「他工種・発注者との調整」「基準値で確認したか」が求められます。立場は監理技術者/主任技術者/現場代理人が自然です。

工事概要で落とさない項目

  1. 工事名(具体名。撤去のみは不可。据付調整が含まれれば可)
  2. 発注者名(二次下請なら一次下請業者名。発注機関所属なら所属機関名)
  3. 工事場所(市町村まで)
  4. 工期(年月日〜年月日)
  5. 請負概算金額(1級らしい規模と矛盾しないこと)
  6. 工事概要(芯数・台数・系統・試験まで)
  7. 立場(統括した内容を一文)

令和6年形式

指定2テーマについて ①課題 ②対策内容とその結果

令和7年形式(注意)

テーマが「施工計画の立案」+「機器・材料の品質管理」。締めが結果ではなく評価。「計画どおり機能したか/改善点は何か」まで書く。

良い答案:電気通信特有の用語+数値+自分が管理した主語+課題と対策が対応+結果または評価で閉じる。
減点しやすい答案:作業員目線、誘導員配置だけ、数値なし、課題と対策が一致しない、施工計画なのに品質の話だけ、暗記文の転記、実在しない工事。

テーマ別の定番ネタ

施工計画建築工程との突合、フロア引渡し、防火区画貫通、夜間切替枠、試験合格基準の計画書記載、クリティカルの明示
工程管理建築遅延、他工種輻輳、融着班不足、停電ウィンドウ、資材納期、天候による屋外中断
品質管理工場検査、受入検査、融着損失、OTDR、UTP試験、曲げ半径、接地抵抗、レベル測定
安全管理高所・高所車・はしご、活線近接、酸欠、開口部、荷役、KY・TBM、ELB(誘導員のみは不可)

おすすめ記述解答(置換用)

工事名・数量は自分の実績に置き換えること。虚偽記載は失格注意があります。

工事概要(1級向け)

⑴ 工事名  ○○データセンター構内通信設備新設工事 ⑵ 工事の内容 ①発注者名:株式会社○○ ②工事場所:東京都○○区○○ ③工期:令和○年4月1日〜令和○年11月30日 ④請負概算金額:1億2,000万円 ⑤工事概要:SM光ファイバ288芯の構内幹線、MDF・IDF整備、LANスイッチ48台、無線AP 60台、非常放送・防犯カメラ、OTDR・レベル測定、総合試験 ⑶ 立場又は役割  監理技術者(又は主任技術者)として、施工計画の作成、工程・品質・安全の統括、下請指導、発注者及び建築工事との工程調整を担当した。

施工計画の立案(R7:課題+対策+評価)

⑴ 特に留意した施工計画の立案における課題  本工事は建築内装と並行し、サーバ室は引渡しがフロア単位でずれる条件だった。光幹線のルートは天井内とEPSに集中し、防火区画貫通と夜間切替が工程の制約になった。無計画に着手すると再施工と工期遅延が発生するおそれがあった。 ⑵ 実施した対策とその評価  ①着工前に建築工程と突合した総合工程表を作成し、フロア引渡し日をクリティカルとして施工順序を「1階幹線→各階IDF→端末」に固定した。  ②防火区画貫通は認定工法と必要日数を計画に明示し、建築の耐火処理と干渉しないよう先行スリーブを依頼した。  ③切替は運用影響を最小化するため土曜夜間枠を計画段階で確保し、試験項目と合格基準(接続損失0.3dB以下等)を施工計画書に記載した。  評価:計画どおりフロア単位で施工でき、再施工は発生せず契約工期で引渡せた。夜間枠を計画段階で確保したことが切替遅延の防止に有効だった。改善点は、建築遅延の予備日をもう1日計画に見込んでおくことである。

工程管理(工期遵守/遅延防止)

⑴ 工程管理上の課題  建築天井下地が10日遅延し、3階光ケーブル布設の着手がずれた。竣工検査日は変更できないため、融着・試験・切替が逼迫した。 ⑵ 対策とその結果  週次の他工種会議で着手可能日を確定し、融着班を1班から2班に増員した。天井未完了期間は地上で光コード端末処理とUTP成端を先行した。切替を土曜夜間に1回追加した。  結果:遅れ10日のうち7日を回復し、残3日は予備日で吸収して契約工期を遵守した。

品質管理(機器・材料)

⑴ 品質管理上の課題  SM288芯の融着品質と、機器の工場出荷品質が伝送品質を左右した。接続損失超過や機器の初期不良は運用開始後の是正が困難だった。 ⑵ 対策とその結果(又は評価)  ①工場検査で形状・員数・動作・絶縁を仕様書と照合し、不適合は是正後に搬入させた。  ②受入時に外観・製造番号・成績書を確認し、光ケーブルのキンクを排除した。  ③融着は1接続ごとに推定損失を確認し、OTDRで接続点0.3dB以下、区間損失が計算値以内であることを記録した。規格外2芯は即日再融着した。  結果/評価:立会試験で全芯規格内。工場検査を入れたことで現場での初期不良はゼロだった。

安全管理(労働者)※誘導員のみ不可

⑴ 安全管理上の課題  屋上アンテナとEPS内で作業床高さ3.5〜8m、活線近接の盤内作業が重なり、墜落と感電が最優先リスクだった。 ⑵ 対策とその結果  毎日TBM・KYで当日リスクを共有。フルハーネスと親綱は使用前点検。移動はしごは上部固定し踏さん作業を禁止。高所作業車はアウトリガ最大張出しと地盤確認。電動工具はELB付き電源を使用前テスト。盤内は遮断・検電・ロックアウト。  結果:労働災害ゼロ。開口部養生の是正1件のみで再発なし。

別現場向けの短ネタ

問題2 施工留意・系統図記号・穴埋め

設問1 頻出語の定番記述(2語選択)

機器の据付け
搬入経路の寸法・耐荷重を確認し養生する。図面の位置・向き・レベルを出し、指定アンカーの径・埋込深さと耐震固定を行う。接地を施工し、通電前に絶縁抵抗・接地抵抗を測定する。重量物は吊り位置と重心を守る。
資材管理/測定器管理/工場検査/工具
資材:先入先出、種別ごとの保管、雨濡れ・衝撃防止、受入時に仕様書照合。
測定器:校正期限を管理し、期限切れは使用しない。OTDR等は使用前後に正常性確認。
工場検査:出荷前に寸法・外観・動作・絶縁を仕様と照合し、不適合是正後に搬入。
工具:絶縁被覆の損傷点検、高所では落下防止、用途外使用禁止。
管路・ラック・防火・二重天井・ダクト
FEP地中埋設:曲げ半径・土被り・標識シート、管内滞水防止。
PF管:扁平させず、管端ブッシング、ボックス接続を確実に。
金属管露出:サドル間隔、接地、管端保護。
ケーブルラック:支持間隔、水平・振れ止め、過積載禁止。
防火区画貫通:認定工法、隙間充てん、表示。
二重天井:点検口確保、ケーブル荷重、他設備との離隔。
金属ダクト:接地、占用率、水仕舞。
光接続/UTP試験/アンカー/プルボックス
光心線接続:切断・清掃、融着条件、補強スリーブ、曲げ半径と余長、OTDR確認。
UTP完了後試験:ワイヤマップ、長さ、NEXT等をテスタで全ポート記録。
打込み金属拡張アンカー:下地強度、穿孔径・深さ、清掃、規定トルク。
プルボックス:引込余長、防水・防火、心線対照が可能な大きさ。

設問2 系統図のJIS記号(名称+機能)

設問2は名称+機能または概要。1級は系統図上の2記号、2級は提示記号から1つ選ぶ年が多い。図は試験用の学習図(JISの複製ではない)です。本番は問題図の形を優先してください。

書き方の型:①日本語名称 ②何を入力し ③何をして ④どこへ出すか/何を守るか。例「アッテネータ。増幅器からの音声信号を減衰し、スピーカ音量を適正にする。」

電話・構内交換

MDF(主配線盤)構外側回線と構内側配線を成端・接続し、試験・切替の拠点とする。
保安器雷サージや電力線混触などの異常電圧から端末を保護する。責任分界点にもなる。
端子盤複数回線の心線を成端し、相互接続・試験を行う中間配線盤。
電話機音声を電気信号に変換して送受信する端末。
DSUデジタル回線を終端し、端末とのインタフェース変換を行う。
RT(中継器)減衰した信号を増幅・整形して再送するリピータ。
構内電話の基本系統 局線 保安器 MDF 端子盤 PBX等 電話機

TV共同受信・CATV

混合器異なる周波数の信号(UHFとBS等)を1系統にまとめる。分波器はその逆。
増幅器/ブースタ減衰したテレビ信号のレベルを増幅する。過利得は過入力障害の原因。
分配器入力信号をほぼ等レベルに複数系統へ分ける。分配損失がある。
分岐器幹線レベルを保ったまま一部を取り出す。タップオフ。
直列ユニット/TV端子壁面で受信機へ出力する。直列形は通過端子を持つ。
ヘッドエンドCATVの先頭で受信・変調・混合し、伝送路へ送り出す装置群。
TV共同受信・CATVの基本系統 アンテナ 混合器 ブースタ 分配 分岐器 直列ユニット TV端子

非常放送・拡声

増幅器(AMP)マイクや音源の信号電力を増幅し、スピーカ回路へ送る。
アッテネータ信号を適正レベルまで減衰する。非常放送では3線式が多い。
スピーカ電気信号を音響(空気振動)に変換して鳴動させる。
非常放送の基本系統 遠隔マイク 増幅器 AMP アッテネータ スピーカ 火災連動

防犯・インターホン

防犯カメラ監視対象を撮像し映像信号を送出する。
録画装置カメラ映像を記録し、再生・検索できるようにする。
監視モニタ映像を表示して監視する。
扉開閉センサ扉の開閉を検知し、警報や連動信号を出す。
電気錠電気信号で施解錠する。防犯盤やインターホンと連動。
インターホン親機子機と通話・映像確認し、解錠などの制御を行う。
インターホン子機玄関等に置き、親機と通話する端末。
防犯設備の基本系統 カメラ 録画装置 モニタ 扉センサ 電気錠

その他の頻出記号

接地機器金属部を大地に接続し、漏電時の電位上昇と感電・誘導障害を防ぐ。
クロスコネクト/交差配線相互をジャンパで接続する点、または線路交差。問題の注記を優先。

1級の年度別テーマ

年度系統図狙われやすい記号
R1電話設備保安器、MDF、端子盤、電話機
R2テレビ共聴混合器、分配器、分岐器、ブースタ、直列ユニット
R3インターホン親機、子機、電源部
R4防犯設備カメラ、モニタ、録画装置、扉センサ、電気錠
R5CATVヘッドエンド側、増幅器、分配器
R6構内電話MDF、保安器、端子盤
R7非常放送スピーカ、アッテネータ(試案)
今年は電話かTVか非常放送の再出、または無線LAN/ラック平面記号の可能性。系統の上流から「何をする箱か」で名前を決める。

設問3 穴埋め(本文の型と答え)

毎年「短い技術文の空欄2つ」が定番。図がある年は図の意味を先に読む。用語は第一次検定の本文そのままで出ることが多い。

R7 スイッチの接続(カスケード/スタック)

本文の骨格:スター型LANで中継装置同士をUTPでつなぎ端末数を増やす方式が( G )接続。複数スイッチを専用ケーブルでつなぎ仮想的に1台として扱い、内部バスを冗長化して1台故障でも通信を維持できる方式が( H )接続。

G=カスケード接続 / H=スタック接続
  • カスケード:スイッチの下りポート同士を通常のLANケーブルで段つなぎする。安価だがホップ数が増え、障害点が分散し、ループ防止にSTP等が要る。
  • スタック:専用ポート/専用ケーブルで複数台を1台の論理スイッチにする。設定と管理が1系統、帯域が内部バス、1台故障でも残りで維持しやすい。
  • 混同しやすい語:リンクアグリゲーション(LAG)は同一装置間の回線束ね。クラスタはサーバ側。リング型はトポロジの話。
カスケード接続 SW1 SW2 SW3 UTP PC PC

下りポート同士を通常ケーブルで段つなぎ

スタック接続 SW1 SW2 専用 仮想1台・冗長バス

専用ケーブルで論理的に1台

R6 地中管内配線の通線前作業

通線紐の一方に毛ブラシ・ウエスを付け管路出口まで引き通して( H )を行い、管路が良好に敷設されていることを確認するため( I )を用いて通過試験を行う。

H=管内清掃(清掃) / I=テストマンドレル(通過試験器)
  • 清掃しないと土砂・バリでシース外傷・引っかかりが起きる。
  • マンドレル外径は管内径より一回り小さく、規定長さの円筒を通して扁平・段差・曲がり過ぎを見る。
  • 関連:通線ロッド、潤滑剤、許容引張張力、曲げ半径(一般にケーブル外径の10〜20倍。問題指定があればそれに従う)、余長、標識シート。
通線前:管内清掃 → マンドレル通過試験 ブラシ 通線紐 マンドレル 通過試験器 出口
R5 LANのシステム構成

LANのシステム構成は( G )型と( H )型に大別。(G)はサービス提供側と要求側に役割が分かれる。(H)は接続し合うコンピュータが対等で機能を提供し合う。

G=クライアントサーバ(C/S)型 / H=ピアツーピア(P2P)

C/Sはサーバにデータと権限が集中し管理しやすい。P2Pは端末同士が資源を共有し、サーバ単一点障害は無いが管理が分散する。

クライアントサーバ サーバ PC PC PC

提供側と要求側が分かれる

ピアツーピア PC PC PC

端末同士が対等に機能を出し合う

R4 ループコイル式車両検知

車路に長方形ループを埋設し高周波電流で磁力線を発生させ、車両通過時のコイルの( ア )の変化を電圧や位相変化に変換して検出する。ループが2組ずつあるのは( イ )を判定するため。

ア=インダクタンス(誘導性) / イ=進行方向(速度・方向)

金属車両が磁束を乱しインダクタンスが変わる。2ループの通過時間差で方向と概算速度が分かる。駐車場・料金所・信号感知の定番。

ループコイル式車両検知 コイルA コイルB 車両 インダクタンス変化で検知 / 2組で進行方向
R3 無線LANの通信方式

IP端末が( ア )と呼ばれる基地局を介して接続する方式はインフラストラクチャモード。端末同士を直接つなぐ方式は( イ )モード。

ア=アクセスポイント(AP) / イ=アドホック

インフラストラクチャはSSID・認証・チャネルをAP側で管理する。アドホックはAP無しの端末間通信。関連語:CSMA/CA、MIMO、PoE給電、電波干渉、チャネル設計。

インフラストラクチャ AP 端末 端末 端末

基地局(AP)経由

アドホック 端末 端末 APなしで直接接続
R2 LANの接続構成とケーブル

代表的な接続構成はバス型、リング型、( ア )型。HUBとPCは一般に( イ )ケーブル、HUB同士はクロスケーブル。AutoMDI/MDI-X対応なら(イ)に統一できる。

ア=スター型 / イ=ストレートケーブル

今のスイッチはAuto-MDIXが標準なので現場はストレートで足りることが多い。ただし試験文は「一般的にはクロス」と書いてある年があるので本文優先。

スター型 HUB PC PC PC PC
ストレート/クロス ストレート 1 2 3 6 クロス HUB-PCはストレートが基本
R1 ハンドホール有効長と浸水センサ

クロージャ長a、ケーブル直線部必要長b、許容曲げ半径R、壁面離れc。必要有効長Lの関係式と、クロージャ内浸水検知センサの機能。

標準的な両側取りの式:L = a + 2b + 2R + 2c
浸水検知センサ:クロージャ内の浸水を検知し、膨潤・損失増加や接点信号で警報し、OTDR等で位置を特定して保守する。
図が片側だけ、またはクロージャを端に置いている年は項が半分になる。試案には L=a+b+R+c と書くものもある。試験では図の寸法記号をそのまま足す。
ハンドホール必要有効長 L クロージャ a a b b R R c L = a + 2b + 2R + 2c (両側取りの基本形)

設問3で落とさない書き方

問題3 条件文からのネットワーク工程表

1級は図が無く条件文だけ。自分でアローダイアグラムを描き、所要工期と指定作業のFF/TF/最早・最遅を出す。配点は取りやすいので手順を固定する。

記号と公式(これを用紙余白に先に書く)

ES 最早開始 LS 最遅開始 EF 最早完了 LF 最遅完了 余白にこの4欄を書いてから数字を入れる
ES:最早開始 EF:最早完了=ES+日数
LS:最遅開始 LF:最遅完了=LS+日数
所要工期 T = 終了作業の EF(=クリティカルパスの日数合計)
TF = LS − ES = LF − EF
FF =(後続作業の ES のうち最小)− 当該 EF
終了作業の FF = T − EF
必ず TF ≧ FF ≧ 0。クリティカル上は TF=0。
フリーフロートとトータルフロート J 作業 FF 後続L Lの最早開始 工期 14 17 21 26 FF=直後のES−自分のEF TF=工期を動かさない総余裕

条件文の読み替え

条件の言い回し矢線の意味
A・B・Cは同時に着手でき、最初の仕事スタートからA,B,Cを並列に出す
DはAが完了後着手できるA → D
EはB及びCが完了後着手できるBとCが合流してからE
F,GはB,Dが完了後着手できるBとDの合流後にFとGが並列
Lが完了した時点で工事は終了LのEFが所要工期
ダミー矢線は「順序だけつなぎ日数0」。条件に「完了後」が複数ある合流点で、実作業を無理につなげないときに使う。1級二次はダミーを自分で補う必要がある年がある。

計算手順(25分以内)

  1. 作業を箱または矢線で描き、日数を書く。
  2. 左から ES を積む。合流点は「入ってくるEFの最大」が次のES。
  3. 終了作業のEFを所要工期Tとする。
  4. 右から LF を戻す。終了作業のLF=T。分岐の逆は「出ていくLSの最小」が当該LF。
  5. 指定作業のTFまたはFFを公式で出す。
  6. 検算:クリティカル作業はTF=0。指定作業を1日遅らせて後続ESが動くかでFFを見る。

時刻の定義(ここを間違えると1日ずれる)

年度別の問われ方と試案数値

数値は公開問題と受験予備校の解答試案。公式発表ではない。日数が問題用紙の図と一致しない年は「型」だけ使う。

年度問①問②試案
R1所要工期作業JのFF26日/4日
R2所要工期作業Cの最遅完了29日/11日
R3所要工期作業HのTF32日/(試案2〜4日で分派)
R4所要工期作業Gの最早開始35日/15日
R5所要工期作業Gの最遅開始条件から自作
R6所要工期作業GのTF条件から自作
R7所要工期作業FのFF工期45日。FFは試案6日と3日が並立(TFと取り違え注意)
R7のFは予備校によってFF=6日とFF=3日(その場合TF=6日)が分かれた。公式は「後続の最早開始を動かさない余裕」がFF。後続が複数なら一番早い後続ESを使う。TFを書いてしまうミスが最も多い。

完全計算例(R1型・数字固定)

R1型ネットワーク(オレンジ=クリティカル) S 0 A 4日 0→4 B 7日 0→7 C 3日 0→3 D 5日 4→9 E 9日 4→13 H 6日 3→9 F 5日 9→14 G 6日 9→15 I 7日 14→21 J 3日 14→17 K 5日 15→20 L 5日 21→26 工期26日 A→D→F→I→L / JのFF=21−17=4日

箱の下段は最早開始→最早完了。合流は最大のEFを次のESにする

条件:A・B・C同時着手。D,EはA完了後。F,GはBとD完了後。HはC完了後。IはEとF完了後。JはF完了後。KはGとH完了後。LはI,J,K完了後に終了。

日数:A4・B7・C3・D5・E9・F5・G6・H6・I7・J3・K5・L5

前向き(ES→EF) A 0-4 B 0-7 C 0-3 D 4-9 E 4-13 F は max(B7, D9)=9 から 9-14 G 同じく 9-15 H 3-9 I は max(E13, F14)=14 から 14-21 J は Fの後なので 14-17 K は max(G15, H9)=15 から 15-20 L は max(I21, J17, K20)=21 から 21-26 所要工期 T=26日 クリティカルパス A→D→F→I→L(4+5+5+7+5=26) JのFF Jの後続はLだけ。LのES=21、JのEF=17 FF=21−17=4日 検算:Jを4日遅らせてEF=21でもLのESは21のまま。5日遅らせるとLが遅れ工期が延びる。よってFF=4。

同じ数字でTFも出す(練習)

後ろ向き:LのLF=26、LS=21。IのLF=21(LのLS)、LS=14。よってIはTF=0。

JのLF=21、LS=18、ES=14より JのTF=18−14=4。この例では後続がLだけなので FF=TF=4。

GのEF=15、後続KのES=15なので GのFF=0。ただしKの後続Lには余裕があるので GのTFは0とは限らない。

K:ES=15、EF=20、LF=21、LS=16 → TF=1、FF=21−20=1。

H:ES=3、EF=9、後続はK(ES=15)→ FF=15−9=6。工期側の余裕と合わせるとTF≧6。

よくある失点

今年(令和8年12月)出そうな型と周辺知識

令和8年度1級第二次は令和8年12月6日予定。以下はR1〜R7のローテから見た学習優先度であり、出題保証ではない。

問題2設問3で次に来やすい題材

施工の「短い技術文+空欄2つ」は、第一次検定の本文をほぼそのまま持ってくる。直近で未出または間隔が空いた語を優先する。

高優先OTDRとデッドゾーン/ランチケーブル、光の曲げ半径と引張張力、コネクタ研磨(PC/SPC/APC)、融着補強スリーブ、心線対照
高優先PoEの給電クラスと電力容量、カテゴリ6Aとエイリアンクロストーク、ワイヤマップ、NEXT/RL
高優先防火区画貫通の認定工法と表示、ケーブルラック占用率・支持間隔、二重天井の点検口
中優先Wi-Fi 6/6Eのチャネルと干渉、ローカル5Gと免許、漏えい同軸のスロット方向
中優先VLANとL3スイッチ、LAGとスタックの違い、DHCP/NATの役割分担
中優先非常放送のアッテネータと3線式、CATVの分配損失と傾斜、防犯カメラのPoEと解像度

予想穴埋め① OTDR

OTDRは光ファイバにパルスを入射し、後方散乱光と反射光の戻りから距離対損失の波形を得る測定器である。近端の強い反射で直後が見えなくなる区間をデッドゾーンといい、ランチケーブル(ダミーファイバ)を挿入して測定する。
OTDR波形のイメージ デッドゾーン 接続点 距離 → / ↑ 後方散乱レベル

予想穴埋め② 曲げ半径・張力

光ケーブルの布設では許容引張張力と許容曲げ半径を超えない。曲げ半径はケーブル外径の指定倍(問題文の数値)を確保し、キンクを禁止する。牽引はワイヤに張力計を入れ、ケーブル本体を直接引っ張らない。

予想穴埋め③ PoE

PoEはLANケーブルでデータと電力を同時に供給する方式。給電側をPSE、受電側をPDという。スイッチの給電予算(W)がAP・カメラの合計を下回ると欠落するので、クラスとケーブルカテゴリを施工計画で確認する。
PoE:データと電力を1本のLANで PSE(スイッチ) PD(AP・カメラ) UTP + 電力

予想穴埋め④ 防火区画

防火区画をケーブルが貫通する箇所は認定工法で隙間を充てんし、区画の耐火性能を落とさない。施工後は工法名・施工者を表示する。スリーブだけ残して充てんしないのは不可。

問題3で今年問われやすい組み合わせ

今年用の練習問題(自作・数字きれい)

条件:A,B,C同時着手。DはA完了後。EはB完了後。FはC完了後。GはDとE完了後。HはEとF完了後。IはG完了後。JはH完了後。KはIとJ完了後に終了。

日数:A3 B4 C2 D5 E6 F7 G4 H3 I5 J6 K2

前向き A0-3 B0-4 C0-2 D3-8 E4-10 F2-9 G は max(8,10)=10 → 10-14 H は max(10,9)=10 → 10-13 I 14-19 J 13-19 K は max(19,19)=19 → 19-21 所要工期=21日 クリティカル例:B→E→G→I→K(4+6+4+5+2=21) 同着:B→E→H→J→K(4+6+3+6+2=21) 例:FのFF Fの後続はH。HのES=10、FのEF=9 → FF=1日 FのTF:HもJ側クリティカルなので要逆算。 HのLF=JのLS。JはKのLS=19より LS=13、LF=19。 HのLF=13、LS=10 → TF=0。 FのLF=HのLS=10、LS=3、ES=2 → TF=1日。 よってFはFF=1、TF=1。

当日はこの型で「指定作業だけ丁寧に逆算」する。全作業のLSを出す必要は、指定がLS/LF/TFのときだけ。

周辺で押さえる参考(第一次の数値)

項目覚えておく値・語
端末絶縁抵抗使用電圧300V以下で1MΩ以上
屋内電線と強電流の離隔15cm以下になるときは省令の措置
有線電気通信の設置届出工事開始の2週間前まで
完成検査完成通知から20日以内
労働時間1週40時間、1日8時間(休憩除く)
照度保持の高さ2m以上の箇所
光接続損失の目安(記述用)融着推定0.05dB級、接続点0.3dB以下など仕様書の値を使う
UTP試験ワイヤマップ、長さ、NEXT、RLを全ポート記録
フルハーネス高さ2m以上で作業床がない等。着用だけ書かない

参考になる公開資料

働き方改革の残業上限は経験記述の工程テーマに使いやすい。「適正工期の確保」「夜間枠の計画段階確保」「班編成の見直し」まで書くとR6以降の型に合う。

問題4 労働災害防止(2作業選択)

安衛法・安衛則に沿って具体策。保護帽と墜落制止用器具の着用「だけ」は書いてはいけない年が多い。

高所作業車:アウトリガ最大張出し、地盤・傾斜確認、定格荷重、下部立入禁止、搭乗資格。
移動式クレーン/玉掛け:資格者、定格荷重、アウトリガ、荷下立入禁止、合図、玉掛用具の点検。
脚立・移動はしご:開き止め、上部固定、角度約75度、踏さん作業禁止、転位防止。
低圧活線近接/架空近接:絶縁用保護具、離隔、監視人、必要なら停電。充電部への接触防止。
酸欠:入場前測定、換気、空気呼吸器、監視人。マンホール・ピット。
スレート屋根:踏み抜き防止の歩み板、悪天候中止。
足場組立解体:組立等作業主任者、壁つなぎ、幅木・先行手すり、悪天候中止。
地山掘削の事前調査:地質・埋設物・地下水を調査し、崩壊防止の工法を決める。
飛来落下:下端の立入禁止、道具の落下防止、防網。
熱中症:WBGT、休憩、水分塩分、単独作業回避。
通路:幅の確保、段差表示、材料のはみ出し禁止、照度。
危険物(ガソリン):火気厳禁、換気、静電気、指定数量管理。
停電作業:責任者、検電、短絡接地、表示ロック、復電手順。
移動式足場:ブレーキ、脚輪固定、上で移動しない、高さ制限。
墜落制止用器具の使用義務作業:高さ2m以上で作業床がない等。フックのかけ方、使用前点検を書く(着用だけにしない)。
防網:開口部・昇降下部など墜落・落下の恐れがある箇所に設置、隙間と固定。

問題5 用語(3語書く/R1は4語)

知っている語を選ぶ。定義+原理/特徴+用途を3文。8語全部を暗記する必要はない。

光・伝送(そのまま使える短文)
WDM:異なる波長の光信号を1本のファイバに多重する方式。波長ごとに独立して伝送でき、芯線を増やさずに容量を拡大できる。
GE-PON:1本のファイバを複数加入者で共有する1Gbps級のPON。OLTとONUの間で光スプリッタにより分岐する。
メカニカルスプライス:融着せず、V溝等で心線を突き合わせて機械的に固定する接続。電源が取れない現場や少数心の応急接続に用いる。
光クロージャ:屋外の接続部を収納し、防水・防塵・引張から保護する箱。余長と曲げ半径を確保して組み立てる。
ノンメタリック光ケーブル:テンションメンバ等に金属を使わない光ケーブル。誘導雷や電食の影響を受けにくく、電力線近傍に適する。
漏洩同軸ケーブル:外導体にスロットを設け電波を漏らすケーブル。トンネルや地下で列車無線・防災無線のエリアを作る。
デリンジャ現象:OTDR測定で近端の強い反射により、直後の区間が見えなくなる現象。ランチケーブル等で回避する。
ネットワーク・音声
TCP/IP:伝送制御のTCPとネットワーク層のIPを中核とするプロトコル群。信頼性のある通信と経路制御を分担する。
L2スイッチ:MACアドレスを学習し同一ネットワーク内でフレームを転送する装置。
L3スイッチ:L2に加えIPに基づくルーティングを高速に行うスイッチ。VLAN間通信に用いる。
NAT:プライベートIPとグローバルIPを変換する。アドレス節約と内部構成の隠蔽に使う。
DHCP:端末にIPアドレス等を自動割り当てするプロトコル。
VLAN:物理構成に依存せず論理的にブロードキャストドメインを分割する。
IP-VPN/IPsec:通信事業者網や暗号で拠点間を仮想専用化する。IPsecは認証と暗号化でIPパケットを保護する。
QoS:帯域・遅延・損失を制御し、音声など優先度の高い通信を保証する仕組み。
VoIP/VoIP-GW:音声をIPパケットで運ぶ。GWは交換機とIP網の信号・媒体を変換する。
PBX:構内の内線接続と外線発着信を制御する交換機。
無線・放送・クラウド・セキュリティ
OFDM:直交する多数のサブキャリアに分割して伝送する。周波数利用効率が高く、地上デジタルやWi-Fiに使う。
QAM:搬送波の振幅と位相を組み合わせて多値化する変調。1シンボルで多くのビットを送る。
MIMO:送受信とも複数アンテナを用い空間多重やダイバーシチで速度・安定性を上げる。
空間ダイバーシチ:離れたアンテナで受信し、フェージングの影響を軽減する。
CSMA/CA:送信前にキャリアを検知し衝突を避ける無線LANのアクセス制御。
八木アンテナ:放射器・反射器・導波器からなる指向性アンテナ。地上TV受信等に用いる。
ローカル5G:自営で免許を受けて運用する5G。工場や構内の大容量・低遅延通信に使う。
SaaS/PaaS:ソフトまたは開発基盤をクラウドで提供するサービスモデル。
RFID:電波でICタグの識別情報を読み書きする。物品管理や入退に用いる。
ゼロデイ/ランサムウェア/SQLインジェクション:未知脆弱性の攻撃、データを暗号化して金銭を要求するマルウェア、入力を通じたDB不正操作。
パケットフィルタ/チャレンジレスポンス:ヘッダ条件で通過を制御するFW。乱数等の挑戦に応答させて再利用攻撃を防ぐ認証。
ネットワークカメラ対策:初期パスワード変更、通信の暗号化、FW、ファーム更新、不要ポート閉鎖(物理破壊は指定外の年あり)。

問題6 法規(記述穴埋め)

2級と違い選択欄が無い年が多い。条文の単語を自分で書く。数字は必ず覚える。

建設業法

労働基準・労働安全衛生

電波・有線・端末

条文の言い回しは年度で微妙に変わる。「ア・イに入る単語」を予想して書く訓練をしておく。

当日の時間配分と書き方

  1. 問題1:70分(概要15+テーマ①25+テーマ②25+見直し5)
  2. 問題3:25分(ネットワーク作図15+計算10)
  3. 問題2・4・5・6:各15分
  4. 残りで数字・法規の見直し
経験記述課題→対策→結果/評価の順を崩さない。数値は2〜3個で足りる。
工程表先にクリティカルを赤で引き、問われている作業だけ丁寧に計算。
用語自信のある3語に絞る。定義が書けない語は選ばない。
法規40・8・20・2・15・1・2週間を先に埋める。
1級で差がつく点は、経験記述の「管理した理由と数値」と、工程表のフロート計算です。

本ページは令和元〜7年度の公開問題の構成分析と学習用記述例です。公式標準解答ではありません。法規は施行時点の条文で確認してください。虚偽の実務経験は失格です。